Tax Fantasista

そんなに役に立たないアメリカの税務・会計についてちょこっとLOVE

Amazonは意図的にSales Taxから逃れていたのか?

先日、トランプ大統領が以下のツイートをしてました。 

要するにAmazonが小売業をダメにしていて、失業者を増やしていると言ってるんですね。

6月にもトランプは、Amazonは税金を払っていないとツイートしてそれが炎上しました。

というのも、今年の4月からAmazonはアメリカの全州(もともとSales Taxの無い4州は除く)でSales Taxを徴収して納税しているのにも関わらず、あまりにも無知すぎると非難があったみたいですね。

ここから読み進める前に、Sales Taxについて簡単に説明しておきます。Sales Taxは日本でいう消費税に非常に近いものです。Sales Taxは、国(連邦政府)ではなく、州や市町村などの自治体レベルで管理していて、地域によって税率が違います。例えば、ワシントン州シアトル市の場合は、州が6.5%、市が3.6%で合計10.1%(2017年9月現在)となります。オレゴンのように消費税がない州もあります。こちらの記事を参考にしてください。

fantasistax.hatenablog.com

とりあえずここでは、Sales Taxとは消費税みたいなもので、州や市の管轄なんだなーぐらいで大丈夫です。

話を戻しましょう。AmazonとSales Taxについてはこれまで色々言われてきました。Amazonというより、E-commerce全体なんですが、その代表として勝手にAmazonが非難の対象になった気がします。アメリカ在住でオンラインショッピングをしたことある人なら、わかると思うのですが、あのサイトで買うとSales Tax かからないらしいよ!あそこで買おう!という経験はあると思います。シアトル市はSales Taxが10.1%なのでシアトル在住の人が近くのBestbuyでパソコン買うよりも、Sales Taxのかからないオンラインストアで購入したら単純計算で10%オフですよね。最近では、送料ただのところも多いので、事実上10%オフです。

そうなると、必然的にSales Taxもかからない、なおかつ、家まで無料で配達してくれるオンラインで買うので、地元のストアはあがったりになるんで、トランプは今更おいっ!って言ったんですね。

現行法では、Sales Taxがある地域に住んでる購入者は、基本的にSales Taxが掛からなかった買物については、自ら名乗り出て支払わないといけないんですが、正直言って追跡するのが困難なため誰もやっていないのが事実です。それをSales Taxがないって認識しちゃってるんですね。

1992年の最高裁の判決では、オンライン業者はその州に倉庫、施設、事務所等を持たない場合は、Sales Taxを集める必要がないという事になりました。その昔、AmazonがE-commerceとして始めた当初、売上の多いカリフォルニアやテキサスにほど近い、ネバダやカンザスなどの小さな州に倉庫を建設し、そこから配送していました。法律的に、カリフォルニアやテキサス州内に実際に店舗や倉庫を持っていなかったため、Sales Taxを徴収せずに商売ができることで、人気になっていきました。Amazonが大きくなるにつれて、One-day Shippingなどの宅配の速さを売りにするようになり、どうしても顧客の多い州に倉庫を建設せざるをいなくなったため、その州でSales Taxを徴収して納税するようになっていきました。見方によってはAmazon的には、Sales Taxが掛からないことを売りにするよりも、配達の速さを売りにする戦略に切り替えただけですよね。

Amazonの真意はわからないですけど、確かに法律を破ってるわけでもないんですよね。ルールを守って顧客のニーズに応えてきただけのような気もしますけどね。

各州政府は、”Amazon Tax”としてその他のE-commerce業者からも税金を徴収する法律を作っていって、Amazonもそれに快くかどうかはわかりませんが、賛同しました。

Amazonは自身の在庫の販売に関してはSales Taxを徴収しているのですが、Amazonを利用している販売店の売上に関してはノータッチです。そういう販売店もAmazonに使用料や倉庫や出荷費用を払っている、いわばAmazonにとったらお客さんですし、法律でそうなっていない以上、知らんぷりという事でしょうね。販売店側もSales Taxを徴収して納税する義務はないし、購入者も誰も払うはずがないからですね。これは本当に法の抜け道と言うか、法律の矛盾点ですね。むしろ、現在のルール上では、納税義務を放棄しているのは購入者の我々側でAmazonが攻められる必要はまったくないはずなのですが。。。法律が追いついてなさすぎるのと、法律ってなんか変えるのに時間かかりすぎるし、そもそもこの法律ができた時って、まさかインターネットが、、、Amazonが、、、なんて未来は想像もしていないですからね。

Amazon上に店舗を構えている販売店も実際のところ、Amazonがどの州の倉庫に在庫を置いていてどこから誰に売っているかがわかっていないため、Sales Taxを徴収することもできない状態が現実らしいです。この場合、Amazonは他人の商品を保管して出荷するだけのロジスティクス会社なんでSales Taxの徴収義務はないという立ち位置ですね。

Amazonを利用している販売店の中には、州政府から尋問を受け、Sales Tax徴収しろと言われているようです。Amazonに対しても、在庫がどこにあるかはっきりするように言い続けているけど、ノーといった感じです。Amazonからしても、現ビジネスモデルだからこそ、当日発送や価格を下げることができてるのに、そんな手間暇かけることによって小売価格が上ってしまうし、そもそも義務がないし沈黙を守ってるんでしょうね。

Amazonを叩いている人は、AmazonのSales Tax問題が解決したら小売業は復活すると言ってるそうですけど、もうAmazon自身は全州でSales Tax納めてるし。もう時代の流れですよね。ビデオレンタル業者からストリーミングに、ガラケーからスマホに色々時代が変わってきてるのに、そういう業者は守ってきたんですかね?そんなに小売り店が潰れると困るんですかね?

逆の意見としては、田舎で人が来なかった小売店がオンラインで売れることによって繁盛したという話もあるらしいです。

サウスダコタ州なんか、州の財源をSales Taxに頼ってるからって最高裁に判決見直してくれーって言ってるらしいし。じゃ税制変えればいいだけの話ですよね。

 

知っているようで知らない、アメリカのSales Taxの話でした。