Tax Fantasista

シアトルの情報やそんなに役に立たないアメリカの税務・会計についてちょこっとLOVE

消費税がない?オレゴン州でBlack Fridayのショッピング

さ~て今週はThanksgiving Holidayということで、アメリカはここから年明けまでもうホリデームードで仕事はほぼ適当になります。

Thanksgiving dayといえば、Black Fridayにお買い物に行く方も多いと思います。

そこで今回、買い物とは切っても切れない関係にある消費税についてそんなに役に立たない情報をお伝えします。

まずアメリカには日本の消費税と全く同じものはなく、sales tax (売上税)、use tax(使用税)といった2つの(消費税のような)税金があります。Sales & use taxとワンワードで覚えておきましょう。ただ、この2つの違いだけでもめんどくさいのに、アメリカではこの税を州や都市で徴収してるため、その土地によって税金がかかるものも違えば、税率も違うとほんとにもう嫌になる。

ややこしいのは、食料品には税金かからないけど、レストランではかかる。などなど。今度買い物する時にレシート見てください。買ったアイテムの隣に『T』と書いてあればそれは課税対象です。

 

ここでイキナリですがSales Taxの税率低いベストテンと高いベストテンの発表です!!

低いベストテン

  1. Colorado 2.9%
  2. Alabama 4%
  3. Georgia 4%
  4. Hawaii 4%
  5. Louisiana 4%
  6. New York 4%
  7. South Dakota 4%
  8. Wyoming 4%
  9. Missouri 4.225%
  10. Virginia 4.3%

高いベストテン

  1. California 7.5%
  2. Indiana 7%
  3. Mississippi 7%
  4. New Jersey 7%
  5. Rhode Island 7%
  6. Tennessee 7%
  7. Minnesota 6.875%
  8. Nevada 6.85%
  9. Arkansas 6.5%
  10. Washington 6.5%

さすが我らはカリフォルニア!単独首位です!って嬉しくねー。

実際は、上記の税率+都市の税率がかかります。

例えばサンフランシスコは市のsales taxが1.25%なのでサンフランシスコ市内で買い物すると8.75%のSales taxがかかるというわけです。

そして忘れてはいけない、sales taxのかからないsale tax界の【ネ申5】といわれているのが以下の5州です。

Oregon
Delaware
Montana
New Hampshire
Alaska

この5州で買い物をした場合は、基本的にsales taxはかからないと思ってていいでしょう。

sales taxに関してはもうこれくらい知っておけば充分です。

ってことで次はuse tax、読んで字の如く、使用税でございます。

厳密に言えば違うのですが、ざっくりいうと、sales taxは売り手に納税の義務があるのに対し、use taxは購入者に課されます。自分が住んでいる州外で物品を購入し、その州でsales taxを徴収されなかった場合、その物品を使用する州、要するに自分の住んでいる州でその税額の差額を納めないといけません。それがuse taxです。

 

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ですよねー。

 

じゃ池上彰ばりにわかりやすく説明すると、カリフォルニア在住のAさんが、神5のひとつ、オレゴン州に出張の際に1000ドルのパソコンを買ったとします。オレゴンではsales taxを払わなくていいので、やったー得したー!と思いますよね?

しかし、本当はAさんはそのパソコンをカリフォルニアで使用するのでAさんが差額(オレゴン0%、カリフォルニア7.5%)の7.5%のuse tax(だから使用税と呼ぶ)を納める義務があります。

みんなオレゴンは消費税がかからないとか言ってるけど、本当はオレゴン以外で使用する場合は買った本人が住んでいる州で税率の差額分をuse taxとして納めないといけないんです!コレは義務です。いわゆる脱税です。

でも、これね、普通にばれない。というかばれるわけがない。そんなのいちいちトラッキングできないでしょ。

ばれるケースで一つだけ思いつくとしたら、車です。オレゴンで車買ったら消費税かかんないじゃーん。って安易な考えが通用するわけがありません。車は通常自分の居住州のDMVで車両登録した時に税金取られるから、カリフォルニアのDMVでご苦労様でーす。ってなります。

要は売り手側はその州に店舗や本拠地がない限り、その州にsales taxを納める義務が基本的にないのです。だから徴収する必要もないっす。通販業者は基本そんな感じ。

オンラインで買い物をした時にsale tax $0.00ってよくあると思います。
『君州外でしょ?買った人がちゃんと納めてねー。おれ関係ないからー。』ってやつです。

政府もこれはえらいこっちゃってことで色々慌てて作戦練ったり、州同士でも、どうにかこうにかしようとがんばってるみたい。

キャッシュがなくなってApple payみたいなシステムに全部なってしまえば、トラックするのもできるんだろうけど、まだまだかかりそうっすね。

Happy holidays!!

 

【駐在員限定】妻のへそくりを聞き出す方法。

完全に釣りっぽいタイトル。

みなさん、"FATCA"、"FBAR"、"Form 8938"て知ってます?

"the Foreign Account Tax Compliance Act"

"Foreign Bank Account Reporting"

"Foreign Financial Assets Reporting"

のことです。

ざっくりいうと、米国外の金融資産情報の開示を強化しましょー!って感じのゴルゴ13もびっくりのルール。

・・・もう出オチ感はんぱないけど、そうゆうこと。

昨年経験されている方はご存知でしょうが、アメリカでは基本的に自分で確定申告しないといけません。駐在員もそれは同じです。

なので2月ぐらいになると、会計士からちょーーーーめんどくさい質問書が来ると思います。

その中に、『外国の銀行口座情報』的なものが必ずあります。

年間で1度でも100万円を超えた事がある金融口座を全部開示しないといけません。

めんどくさいからかそこのところ平気でNOって埋めてくるお客さんも少なくないです。

(40過ぎてんのに、口座に100万ないわけないやん。。。)とか思いつつ、

念のために言っておきますが、と前置きして、

『もし報告漏れや虚偽記載などがIRSに摘発された場合は、最高でその口座の中身の50%か1000万円のどっちか多い方が罰金でもっていかれるんで、そこんとこよろしく!じゃっ!』

って言ったら、出てくる出てくる。

日本人は『限定』と『IRS』って言葉にめっちゃ弱いという噂は本当です。

しかし、この最高で50%持って行かれるっていう話も本当です。

ただ実際に摘発されたという事例は聞いたことないけど。

基本的に既婚の駐在員の場合は、家族で一つの確定申告を提出するので、奥さんの収入や銀行口座の情報も当然必要になります。

なので真剣な顔して、

『日本にある銀行口座の金額を開示しないとIRSから最悪1,000万ぐらいの罰金取られるらしいよ!!』

って奥さんに言ったらすーぐへそくり教えてくれる。

 

はず!!

Tech企業のFree Mealは本当にFreeなのか?

今更?感があるトピックですが、IRSが『2015年に対処すべきトップ300の問題』の一つにこれを挙げ、このTech企業のフリーミールは課税所得の一部じゃないのか!と言ったとか言ってないとか。

まず、給与、ボーナス、配当や利子収入など現金を受け取るものに関しては所得となり税金を支払わないといけないことはなんとなくわかると思いますが、会社が提供する福利厚生も例外を除き、基本的に課税所得に含むことになります。

福利厚生には、従業員、またはその家族への優待やディスカウント、その他の従業員手当てなど色々ありますが、今回は雇用主支給の①スナック、ドリンク、②食事に絞って話をしましょー。

 

①スナック、ドリンク

職場にあるコーヒーを飲んだり、ドーナツ食ったら税金を払わないといけないのか?
これは "De Minimis Fringe Benefit"と言われる例外規定により課税所得に含まれません。
De minimisとはラテン語で"of little importance"と訳され、ざっくりいうと、IRSも経理担当者もそんな誰がコーヒー飲んで、ドーナツ何個食ったかとか記録するのが面倒臭いし、そもそも大した金額じゃないから無視しよ。ってことです。

"De minimis"に該当するかどうかを判断する基準として、①頻度、②価格が重要となります。

Example A 会社にあるたけのこの里をたまーにつまむ。

これDe minimisです。

Example B 会社にある1杯200ドルの幻のコーヒーを毎日2杯飲む。

これ所得になります。(たぶん)

Example C 毎朝、会社にあるやっすいドーナツとコーヒーを朝食代わりに食う。

これ微妙...ドーナツとコーヒーの価格は安いけど毎日なので。

価格と頻度を巡っては見解が分かれますが、$100を超えるものはDe minimisではないという過去の判例があります。この3つの極端な例でもわかるように福利厚生を巡る税法はなかなか複雑なんです...

 

②雇用主が支給する食事

スナックやドリンクは常識的な範囲内であれば基本的に非課税であることがわかりました。

さて問題のフリーミールです。

税法上、以下の2つを満たすことが非課税の一つの基準となっています。

①業務用地内で支給されてる
②業務の都合上支給されている

①の業務用地内というのは、基本的に仕事を行ってる場所ということなんで、Google, Facebook, Twitterなど自社内に食堂があるのでここはおっけー。

②の業務の都合上というのが、すごく曖昧。状況によります。
税法には以下の状況は業務上の都合と見なされるとあります。

  • ランチ中に緊急呼び出しの可能性がある(お医者さんなど)
  • 業務の性質上、ランチ休憩が短い(30分~45分)
  • 近くに適切な時間帯にちゃんとしたものが食べれるレストランが少ない(近くにあるレストランに結構失礼)

僕の訳し方が曖昧なのかもしれませんが、税法といっても線引きが難しいですね。

詳しくはわかりませんが、Googleに関して言えば、常に緊急呼び出しの仕事というわけでもなさそうだし、業務の性質上も1時間ぐらいランチ休憩とれるっしょ。でも近くにちゃんとしたレストランがあまりないので、結局込み合って業務に支障が出るので最後のは当てはまるのかも。

そもそもフリーミールとDe minimisのスナック、ドリンクの違いも曖昧やし、本当に複雑です。

結局のところこれは、

IRS『これ報酬の一部やん?』

Tech企業『いやいや、外に食べに行くと業務上支障が出るので、社内でフリーの食事を提供してるだけだもーん。』

の構図です。

IRSとしてもこれが業務上の都合ではなく報酬です。っていうTech企業がぐーの音も出ないような決定的なものがないからチャレンジできないんだろーなー。あとここら辺のTech企業は少なからずアメリカの経済支えてるしIRSも変に行動できないなー。

変な話、フリーミールがなくなったらその分、従業員の給与あげないといけなくなるから、またさらにここら辺がバブっちゃうね。

あー嫌だ。

San Francisco Soda Taxの行方

日本では消費税が8%から10%に上がるのか!?なんて連日やってますが、ここサンフランシスコでもなにやら税金に関する面白い投票が行われているようです。

 その名も、”A City of San Francisco Sugary Drink Tax, Proposition E”

 要するに、サンフランシスコ市内では砂糖の入ったドリンクに対して1オンス当たり$0.02の税金をかけるというもの。1缶あたり12オンスなので$0.24にもなるそうです。

 アメリカの社会問題の一つ肥満を減少させるための法案で税収はサンフランシスコ市の健康促進のプログラムの基金として使われるそうです。

 アメリカらしいっちゃーアメリカらしいけど、これがわりと無茶苦茶。

 対象となる飲み物は、『加糖された飲み物で1缶あたり25カロリー以上のもの』

 ここまでは、あーなるほどねー。と読み流せたのですが、問題はここから。

 『しかし、以下の飲料は砂糖を含んでいたとしてもこの税金の対象にはなりません』

  1. ダイエットソーダ
  2. 牛乳、豆乳
  3. 100%果物ジュ…

 いやいや、1番からおかしいやん!!

 ダイエットコーラとかも対象とすべきやん絶対。

 せめてばれないようにしれ~っと一番下にもってきてよ。

 最近では、ピザは野菜と認定します。とかアメリカやっぱりおかしい。

 この法案に賛成の意見の一部として、肥満が減る⇒病気が減る⇒医療費が下がるという阪神のJFKばりの勝利の方程式を挙げています。

 また、反対側の意見は、以前たばこの税金を上げたら、たばこ欲しさに強盗が増えただとか、たばこ吸えなくなってイライラして暴力事件が増えただとかなんかへりくつっぽいことばっかり。

 その他にも、炭酸飲料水に税金をかけることは人々の生活を根本から変えることはできないため、なんの解決策にもならない。とか言ってます。

 だったら太るなよ。って言いたくなりますね。

しかーし、世界一コーラを消費している国、メキシコでは今年の頭に同じく肥満を減らすために炭酸飲料水に税金を課したところ、ペプシの売上が3%も落ちたらしいです。メキシコ人の多いカリフォルニアでこうゆうことやられると炭酸飲料水業界は商売あがったりですね。

実は、時を同じくしてお隣バークレーでも同じくSoda Taxの投票が行われており、多少の条件はサンフランシスコとは違うものの同じように肥満を減らすべくこの法案を出しました。

バークレーは公共の場所での禁煙運動の先駆者であり、このSoda Taxも可決することで一気にアメリカに広がったりすると面白いですね。

11月4日に投票が行われたのでそろそろ結果が出る頃でしょうね。サンフランシスコは3分の2以上、バークレーは過半数で可決だそうです。

増税ってむずかしいですね。庶民から徴収すると貧乏人から取ってどうするんだー!と言われるし、高所得者になんかいうと、怖いし。政治家って大変だ。

なんかはじめます。

アメリカで起業したい方や企業のアメリカ進出の際に参考にしてもらえるようなことをゆるーく書いていきたいと思います。

まずこのブログのタイトル【Tax Fantasista】について。

会計士っぽくない会計士を目指したいなーとずっと思ってきて、サッカーにおけるFantasistaのようになりたいと思っただけです。コンプライアンスを守ることを最優先の会計士としてはあんまり良くないんだろうけど、観客を魅了するプレーとかしたいなと。

全くのブラックな事は絶対にやってはいけないんだけど、グレーゾーンを華麗にホワイトにするのがFantasistaっぽくてカッコいいかなと思います。もちろんルールを知らないとピッチに立てないし経験技術がないと華麗なプレーはできないので税法、US GAAP等に熟知していることは前提ですが。

CPA、公認会計士という肩書きが大嫌いなのでTax Fantasistaとして、ハイパーメディアクリエイターの様な存在になれればいいなと思ってます。

よろしくお願いします。