Tax Fantasista

そんなに役に立たないアメリカの税務・会計についてちょこっとLOVE

日本人がびっくりするアメリカでの経費精算の常識

先日、米国で立ち上げたばかりの日系企業から

 

「うちの従業員が出張で立替えた(と言っている)経費のレシートがないのに精算しろってあり得ないこと言ってきてるんだけど。」

 

という相談がありました。

 

その米国人の社員はこれまで働いてきた会社でこんな少額のレシートを求められたのは初めてで、Why Japanese People!! Whhhhhy!?と理解不能状態だったそうです。

日本人からすると経費を立替えて精算してほしいのであれば、ちゃんとレシートを提出するのが基本中の基本ですよね。しかし、これはアメリカではおかしなことではないんです。

 

私が知っている米国企業の多くは、出張費の清算の時に、30ドル以下ぐらいの出費であればレシートが無くても自己申告で払い戻してくれます。

理由としては、単純にそんな少額のためにレシートを保管する手間が面倒だし、またそれを計算する人件費もかかるからです。

逆にそんな事したら、本当に経費なのか私費で使ったものなのか分からないじゃないか!という声もあるかと思いますが、ある大手企業の営業職の友人に聞いた話では、それが営業職のベネフィットだよ。とさらっと答えていました。

会社側も、もちろん私費で使っている分があることぐらいわかっているはずですが、それと手間やコストを天秤にかけたらどっちなんだい!という話だと思います。

 

この背景として、実際に米国の税法で(宿泊費を除く)75ドル以下の出費に関しては、レシートが無くても費用として認めてくれます。でも、社内ルールとしてさすがに75ドルはいくらなんでも、多すぎるということで多くの企業では、25ドル~50ドル程度の上限を設け、それ以下ならレシートが無くても精算オッケーとしています。

 

かなり合理的です。

 

対照的に日本企業はかなりマイクロマネージメントで、如何なる金額であってもレシートがないと経費精算の払戻しをしてくれないところがほとんどです。(少なくとも僕が知っている限りは)

 

ちょっと話はずれますが、私のクライアントで日本の大手企業の米国子会社が、クリスマスパーティということで、ちゃんと予算を伝え、その社員がビールやワインを購入して、後日、日本の経理に費用精算のレシートを提出したところ、【アルコール類は除く】という親会社の厳格なルールのため、精算してもらえなかったらしいです。

それが原因なのか、その直後に会社も辞めていきました。笑

 

 

シアトルがサンフランシスコに追いついた!?

タイトルだけ見ると良い話のようですが、実は所得配分の不平等さという点でシアトルがサンフランシスコに追いついたという話です。これは、イタリアの統計学者のコッラド・ジニが考案した一般的に社会における所得配分の不平等さを図る際に用いられるジニ係数という指標を元にしたデータだそうです。

簡単に言うとシアトル市のトップ20%の高額所得者が市全体の所得の53%を占めているとの事です。あんまりピンと来ないけど、サンフランシスコに追いつくってことは、結構やばいってことでしょうね。

この不平等さを無くすべく、シアトル市は最低賃金を15ドルにしたり、世帯所得が50万ドル以上の納税者には追加で税金を課すなどの対策を出してますけど、今のところは効果はあまり出ていない感じです。

ここ数年、シアトル近郊に他州から、特にカリフォルニアから移住してくる人が多いのもこの不平等を招いています。特にテック系企業のエンジニアが多く移住してきているようで、彼らは基本高給なのでこの不平等に拍車をかけているようです。

また、全米の主要都市の中でフロリダ州のマイアミやテキサス州のフォートワースを抑えて、2015年から2016年にかけて人口増加率でシアトルがナンバーワンという記事がありました。

シアトルの人口増加のタイミングを見てみると、戦後の1950年代のボーイングブーム、1990年代のマイクロソフトブーム、そして現在のアマゾンブームと、人口増加には地元企業の発展が深く関わっています。逆に1970年代にボーイングが8万人いた従業員をほぼ半分にしたのをきっかけに大きくシアトルの人口が減少しています。ちょうどその頃に、1907年から存在していたシアトルの名所の一つのパイクプレイス・マーケットを大きく改装し、現在の形になったそうです。

色々な視点からシアトルを見てみると面白いですね。

ワシントン州の道路使用税

ワシントン州で2018年の1月からガソリン税に替わる新しい税金の施行に向けたパイロットプログラムを開始するそうです。ワシントン州はペンシルバニア州に次いで全米で2番目にガソリン税が高いそうで、1ガロン当たり49.7セントです。

近年では、燃費の良い電気自動車やハイブリッドカーが増えてきて、ガソリン税では将来的に、高速道路の維持費などをまかなえなくなるそうで、それに替わって、シンプルに道路を利用した分だけ税金を支払うという概念で、運転した距離に税金を課すRoad Usage Charge(道路使用税)という案を思いついたらしいです。

2018年の1月からのパイロットプログラムにボランティアを2,000人募っており、ガソリン税と道路使用税を比較して実際の効果をテストするようです。既にいくつかの州でテストを行っていて、オレゴン州は実現可能なところまで来ていると言われています。

しかし、この法案にはもちろん反対の意見もあります。

比較的田舎に住んでる人は、都心に住んでる人よりも運転する距離が長くなるし、スピードを出せる分、多少は燃費も良くなるけど、走った距離で課税されるとなると、割りが悪くなってしまいます。それに電気自動車やハイブリッドカーなどに乗っている人がある意味損してしまうので、逆にエコカーが売れなくなってCO2の問題が。。。という声もあります。


これからテストするのでまだまだ時間がかかりそうですね。


ソース
http://www.king5.com/news/washington-state-proposes-a-pay-per-mile-charge-for-drivers/473915863

シアトルで2019年から施行されるAirbnb Taxとは?

シアトル市議会は、2019年からAirbnbなどを使って短期で家や部屋を貸し出す場合に、家主に対して税金を課すことに決めました。

通称Airbnb Taxと呼ばれているこの法案ですが、気になる税金は、家を一件丸ごと貸す場合は、一泊につき$14、部屋を貸す場合は一泊につき$8となる見込みです。その他にも、賃貸できる不動産の数も一人当たりの制限を設けるとして、話し合いが進められているようです。

リッチピーポーが投資目的でシアトル近郊の不動産を爆買いしているせいで、不動産価格が上っていると言われているので、それにシアトル政府が対策を打ち始めたってことですね。

あと住む目的以外で外国人が不動産を購入する場合にも税金をかけるという話があるとかないとか。カナダのバンクーバーでは、中国人をはじめ、外国人が不動産を買いあさっているそうで、既に施行されているみたいっす。

サンフランシスコにいた時もそうでしたけど、これから発展しそうな都市にいると、行政とサービスとのせめぎあいが見れて面白いっす。

 

Amazonは意図的にSales Taxから逃れていたのか?

先日、トランプ大統領が以下のツイートをしてました。 

要するにAmazonが小売業をダメにしていて、失業者を増やしていると言ってるんですね。

6月にもトランプは、Amazonは税金を払っていないとツイートしてそれが炎上しました。

というのも、今年の4月からAmazonはアメリカの全州(もともとSales Taxの無い4州は除く)でSales Taxを徴収して納税しているのにも関わらず、あまりにも無知すぎると非難があったみたいですね。

ここから読み進める前に、Sales Taxについて簡単に説明しておきます。Sales Taxは日本でいう消費税に非常に近いものです。Sales Taxは、国(連邦政府)ではなく、州や市町村などの自治体レベルで管理していて、地域によって税率が違います。例えば、ワシントン州シアトル市の場合は、州が6.5%、市が3.6%で合計10.1%(2017年9月現在)となります。オレゴンのように消費税がない州もあります。こちらの記事を参考にしてください。

fantasistax.hatenablog.com

とりあえずここでは、Sales Taxとは消費税みたいなもので、州や市の管轄なんだなーぐらいで大丈夫です。

話を戻しましょう。AmazonとSales Taxについてはこれまで色々言われてきました。Amazonというより、E-commerce全体なんですが、その代表として勝手にAmazonが非難の対象になった気がします。アメリカ在住でオンラインショッピングをしたことある人なら、わかると思うのですが、あのサイトで買うとSales Tax かからないらしいよ!あそこで買おう!という経験はあると思います。シアトル市はSales Taxが10.1%なのでシアトル在住の人が近くのBestbuyでパソコン買うよりも、Sales Taxのかからないオンラインストアで購入したら単純計算で10%オフですよね。最近では、送料ただのところも多いので、事実上10%オフです。

そうなると、必然的にSales Taxもかからない、なおかつ、家まで無料で配達してくれるオンラインで買うので、地元のストアはあがったりになるんで、トランプは今更おいっ!って言ったんですね。

現行法では、Sales Taxがある地域に住んでる購入者は、基本的にSales Taxが掛からなかった買物については、自ら名乗り出て支払わないといけないんですが、正直言って追跡するのが困難なため誰もやっていないのが事実です。それをSales Taxがないって認識しちゃってるんですね。

1992年の最高裁の判決では、オンライン業者はその州に倉庫、施設、事務所等を持たない場合は、Sales Taxを集める必要がないという事になりました。その昔、AmazonがE-commerceとして始めた当初、売上の多いカリフォルニアやテキサスにほど近い、ネバダやカンザスなどの小さな州に倉庫を建設し、そこから配送していました。法律的に、カリフォルニアやテキサス州内に実際に店舗や倉庫を持っていなかったため、Sales Taxを徴収せずに商売ができることで、人気になっていきました。Amazonが大きくなるにつれて、One-day Shippingなどの宅配の速さを売りにするようになり、どうしても顧客の多い州に倉庫を建設せざるをいなくなったため、その州でSales Taxを徴収して納税するようになっていきました。見方によってはAmazon的には、Sales Taxが掛からないことを売りにするよりも、配達の速さを売りにする戦略に切り替えただけですよね。

Amazonの真意はわからないですけど、確かに法律を破ってるわけでもないんですよね。ルールを守って顧客のニーズに応えてきただけのような気もしますけどね。

各州政府は、”Amazon Tax”としてその他のE-commerce業者からも税金を徴収する法律を作っていって、Amazonもそれに快くかどうかはわかりませんが、賛同しました。

Amazonは自身の在庫の販売に関してはSales Taxを徴収しているのですが、Amazonを利用している販売店の売上に関してはノータッチです。そういう販売店もAmazonに使用料や倉庫や出荷費用を払っている、いわばAmazonにとったらお客さんですし、法律でそうなっていない以上、知らんぷりという事でしょうね。販売店側もSales Taxを徴収して納税する義務はないし、購入者も誰も払うはずがないからですね。これは本当に法の抜け道と言うか、法律の矛盾点ですね。むしろ、現在のルール上では、納税義務を放棄しているのは購入者の我々側でAmazonが攻められる必要はまったくないはずなのですが。。。法律が追いついてなさすぎるのと、法律ってなんか変えるのに時間かかりすぎるし、そもそもこの法律ができた時って、まさかインターネットが、、、Amazonが、、、なんて未来は想像もしていないですからね。

Amazon上に店舗を構えている販売店も実際のところ、Amazonがどの州の倉庫に在庫を置いていてどこから誰に売っているかがわかっていないため、Sales Taxを徴収することもできない状態が現実らしいです。この場合、Amazonは他人の商品を保管して出荷するだけのロジスティクス会社なんでSales Taxの徴収義務はないという立ち位置ですね。

Amazonを利用している販売店の中には、州政府から尋問を受け、Sales Tax徴収しろと言われているようです。Amazonに対しても、在庫がどこにあるかはっきりするように言い続けているけど、ノーといった感じです。Amazonからしても、現ビジネスモデルだからこそ、当日発送や価格を下げることができてるのに、そんな手間暇かけることによって小売価格が上ってしまうし、そもそも義務がないし沈黙を守ってるんでしょうね。

Amazonを叩いている人は、AmazonのSales Tax問題が解決したら小売業は復活すると言ってるそうですけど、もうAmazon自身は全州でSales Tax納めてるし。もう時代の流れですよね。ビデオレンタル業者からストリーミングに、ガラケーからスマホに色々時代が変わってきてるのに、そういう業者は守ってきたんですかね?そんなに小売り店が潰れると困るんですかね?

逆の意見としては、田舎で人が来なかった小売店がオンラインで売れることによって繁盛したという話もあるらしいです。

サウスダコタ州なんか、州の財源をSales Taxに頼ってるからって最高裁に判決見直してくれーって言ってるらしいし。じゃ税制変えればいいだけの話ですよね。

 

知っているようで知らない、アメリカのSales Taxの話でした。

進出先にシリコンバレーを選ぶ時に少しだけ考えて欲しいこと

先日、安倍首相がシリコンバレーに来て5年間で日本のベンチャー企業200社をシリコンバレーに送るプロジェクトを発表したし、日経でもシリコンバレー特集が組まれたりとかで、「シリコンバレー」というワードが日本でもだいぶ広まってきてますね。

 

本当にシリコンバレーに日本企業が進出しまくってます。問い合わせがめちゃめちゃ多いです。そして政府やメディアのおかげでこれからももっともっと増えると思います。今更感は否めませんが、このような動きは日本にとっては良いことですね。

 

しかし、バズワード化したものって本質を見失いがちですよね。朝バナナダイエットをテレビでやったら次の日にスーパーのバナナが売り切れる。でも後々、実は効果がなかった的なね。うーん、たぶんそれとは、違うけどね。

 

本質といった意味でシリコンバレーといえば、以下の点が挙げられます。あさはかですが。。。

  1. 優秀な人材が集まる
  2. 著名な投資家がいたり、お金が集まる
  3. 情報が早い
  4. 凄いネットワークがある

起業家やスタートアップであれば、投資家や優秀な人材がいるだとか、そこから派生する質の高いネットワークや生の情報とかの起業環境が整っているという理由でシリコンバレーに行くというのはもっともです。

ただ、資金調達やExitが主な目的でシリコンバレーに法人を作っている日本企業も聞いたことがないし(僕が知らないだけかもですが)、そもそも外国企業が100%持ってる法人に投資するVCなんているんですかね?(僕が知らないだけかもですが)

僕の知る限りでは、最初っから優秀なエンジニアを雇えるような知名度や体力のある日本企業っていうのは、シリコンバレーを拠点に世界展開を考えている日本を代表するソフトウェアやゲーム会社がばかりな気がします。

ネットワークを作るという面でもやはり英語力というところでいうほど利用できてない会社がほとんどです。

そこを考えると日本企業の100%出資の現地法人の場合って、必ずしもシリコンバレーじゃないとダメだっていう会社って全部じゃないと思うんですよね。もちろん、現地法人の役割なども様々なので一概には言えませんが、10社に1社ぐらいは、なんとなくシリコンバレーに法人作りました、または作ろうと思います、という日本企業があるんではないかと僕は思います。

誤解しないでほしいのは、今のこの流れ、シリコンバレーをはじめ海外に日本企業が進出しようとしていることは、日本が変わるためには絶対に必要なことですし、むしろ良い兆候です。

 

ものすごーく前置きが長くなってしまいましたが、何が言いたいかというと、本質を見ずにシリコンバレーに拠点を作ってしまうと、コストだけがかかるんです。

 

最近ではメディアでも多く取り上げられているので、サンフランシスコ・シリコンバレーの家賃がありえないぐらい高いことは世界的に有名です。

当然、出向社員の住宅手当も個人所得扱いとなるため、駐在員の所得が割高になります。駐在員の所得が高くなるとどうなるか?

 

個人の所得税が高くなります。

 

じゃあその駐在員個人の所得税は誰が負担するのか?

 

多くの場合は、会社です。

 

さらに日本では馴染みのない州個人所得税というものもありますので、それも会社が負担します。

 

(アメリカでは、連邦税とは別に、州や市などの地方自治体が独自の課税方式で税金を徴収し、州の財源となります。各州税用のフォームを各納税者が提出し、納税します。)

 

そのまたさらに、州個人所得税も会社が負担することになると、その補助も所得扱いとなり総所得が膨らみ、そしてさらに税金が。。。。

 

という風に雪だるま式に総所得が膨らんでいき、従業員の手取額が6万ドル(720万円)であっても家賃補助などを乗っけていくと額面では15万ドル(1,800万円)を超えることもざらにあります。それが役員クラスになると、、、考えただけでもぞっとする数字になります。

 

とりあえず家賃は高いけど、必要経費だから。。。。と家賃以外でボディーブローのように効いてくる個人の税金のことまではさすがに予算組んでないです。

 

じゃあシリコンバレー以外の進出先としてどこがあるのか?

 

西海岸でいうと、同じカリフォルニア州のLos Angelesをぱっと思い浮かべると思いますが、僕がお勧めしたいのは、ワシントン州のシアトルです。

 

お勧めする大きな理由のひとつがワシントン州の税制にあります。

 

まず州の個人所得税がかかりません。

 

カリフォルニア州の個人所得税率は累進課税となっているので、個人の所得によって税率が変わるため管理職など高給取りではない駐在員の給与額だとだいたい総所得の5-7%ぐらいだと思っていてください。

シアトルに進出して駐在員をそこに送り込むとその州税が0になります。

 

ワシントン州は州所得税がないだけでなく、家賃を比べてもシアトルはシリコンバレーの約半分です。(シアトルの人は家賃が高くなって困ってると言ってるけど、シリコンバレーの比ではない)

家賃が安いということは、その分駐在員の所得を抑えれるため、結果として会社が負担する駐在員の所得税が下がることになります。

 

シアトルを勧める理由は個人所得税がないだけではなく、法人税の点でも有利になることが多いです。

 

法人税も個人所得税と同じで、連邦税と州税をそれぞれ納める必要がありますが、カリフォルニア州をはじめ、多くの州では、連邦税と同じように会計上の利益に税務調整を加えた課税所得に税率をかけて納税額を算出します。カリフォルニア州の税率は一律で8.84%です。しかし、ワシントン州においては、法人の総収入に対して、業種ごとに決まっている税率をかけ合わせて算出するBusiness and Occupation Taxと呼ばれる法人税があります。主な業種の税率は以下の通りで、総収入に対して下記の税率がかかります。

 

小売業・・・・・・・0.471%

卸売業・・・・・・・0.484%

製造業・・・・・・・0.484%

サービス業・・・ ・・1.500%

 

営業利益率にもよりますが、適当に試算してみたら、ほとんどの場合でカリフォルニア州に比べてワシントン州の方が法人税を抑えることができます。

 

ここまで読んでくれたみなさん、周りにこれからシリコンバレーに進出しようとしている企業の関係者がいたらシェアをお願いします。

 

シリコンバレーからシアトルに引っ越してきて思うこと

 

税制面だけでワシントン州を勧めているのではなく、ここ5年でシアトルはよりサンフランシスコに近づくと思います。本当にそれを肌で感じています。特にシアトルと対岸のベルビューはコンドミニアムとオフィススペースの建設ラッシュや高速道路・公共交通機関などのインフラ整備も急ピッチで進んでます。ほんとに数年前のサンフランシスコみたい。

アメリカ人のグーグルのエンジニアに聞いたけど、マウンテンビューのグーグル本社にいるのとシアトルのオフィスにいるのって給与にインフレ調整とかあまりないらしいです。だから家賃の安いシアトルにいる方が手取りが、家賃の差額分多くなるだとか。そうゆうのもあって今シアトルに人がいっぱい入ってきて今のうちにコンドとか家を買ってるらしい。

シリコンバレーから引っ越してきた僕が感じるのは、ボーイング、マイクロソフト、アマゾンといった大企業があり、若い優秀なエンジニアもたくさんいるはずなのに、みんな全くイソイソしてない。それとは対照的にサンフランシスコの人たちはみんなギラギラしてる。街の空気感もそう。シアトルは、決して田舎ではないけど、ほどよく都会で、まさに日本の福岡といった印象。サンフランシスコのギラギラした空気感はやっぱり特別な物だったんだなーと実感しました。

 

個人としての成長をするために行くならサンフランシスコを絶対にお勧めしますが、会社としてアメリカでのビジネスを目的としてくるのであれば、無理にサンフランシスコではなくシアトルの方が色んな面でいいのかなーと思います。いったん拠点を設けてしまうと、その重い腰をあげることができなくなってしまうので、アメリカ進出を考えている企業は、どこに進出するかを慎重に考えてください。

 

 

要するに、寂しいからみんなシアトルに来てくれ!!

 

Uberから4,000ドルもぎ取ったサンフランシスコの女性がすごい

世界中でUberに関する訴訟問題はいっぱいありますけど、今回のサンフランシスコ在住のBerwickさんが起こした訴訟の判決が話題を呼んでいます。

まず、Uberの運転手はIndependent ContractorではなくてEmployeeだというのが原告の主張です。日本語でいうと請負業者か従業員かってところですかね。

知らない人のために、Uberの運転手は暇な時間に自分の車にタクシーのように人を乗っけてお金を稼ぐシステムになっています。もちろん、ガス代、メンテナンス費用は自腹です。

Uber側はドライバーは請負業者とみなしているのに対して、この女性は、「いや、私達は従業員だから、最低賃金を保障すべきだし、かかった費用はUberがふたんすべきよ。」と言っているのです。

この記事読んで僕が最初に思ったのは、

「えっ、こいつ何言ってんの?面接の時、契約書ちゃんと読んだの?」

だってそう思いません?時給800円で合意して初日終わったら1200円にすべきよ!訴える!ってむちゃくちゃ言ってるようなもんでしょ。そこで嫌だったら辞めて終わるのが日本なんですが、そこはさすが、訴訟大国アメリカ。噛み付いてきます。

そもそも、Independent Contractor(以下、IC)とEmployee(以下、EE)は何がそんなに違うのか?

っていうのを、会計士らしく書こうと思ったんですが、ソースの記事を読み進めていくうちにそれどころじゃなくなってしまいました。

 

でも、せっかくなのでちょっとだけ書きます。

 

雇用主側からするとICを雇用した方が、最低賃金もないし、福利厚生もいらない、給与税なども払わなくて良いのでコスト面ですごく楽です。簡単にいえば、庭の植木の手入れをするのに、おっちゃん雇ってやってもらうようなものです。

じゃー雇用主側は、全員ICにしたらいいじゃないかーと考えると思うのですが、そうは行かないのです。

全員ICにすると困るのは、最低賃金や福利厚生がない被雇用者だけではなくて、給与税を取れないIRSも同じです。

厳密に言えば、Self-Employment TaxといってICも自分達である程度の給与税のようなものは、Tax Returnの時に納めないといけないのですが、年に一度というのと、アメリカは自己申告制で、税金をちょろまかされる可能性があるので、毎回の給与の度に、雇用主が源泉徴収する従業員の方がIRSにとっては収入が安定するのです。

なのでIRSは、できるだけこいつ従業員でしょ!!って方向にもっていこーとします。

さて、その判断基準ですが、複雑というか曖昧というか、一言でいうと、雇用主がどれだけ被雇用者をコントロールしているかという点です。

例えば

  • 業務上必要な道具などを会社が支給してくれているか、自分達で用意するのか
  • 業務のスケジュールを雇用主では、なく被雇用者が決めれるか
  • 業務内容が一時的なプロジェクトのものか、または、永久的なものか

などなど。。。こんなことを考慮に入れつつ、雇用主と被雇用者の関係を見て判断するというもの。

さっきの庭の植木の例でいくと、オフィスの屋上に庭園があるとします。そこの手入れをするのに庭師を雇って、週に3回決まった時間に来なければいけないといった場合は、従業員とみなされる可能性が高いと思います。

さてさて、今回のケースで問題となっているのがアプリです。

Uber側は、ただ単にドライバーと乗客を繋ぐためのプラットフォームを提供しているだけで、勤務時間やノルマなどの設定もないし、車だって自分達のものを使ってるでしょ。とこれだけ聞いたら、確かにドライバーはICであるべきだと思います。

しかし、裁判所の見解では、Uber、またはこのアプリドライバーをコントロールしているというものでした。

全文読んでないですが、その理由として

  • ドライバーと乗客の"Administrative Support"をしている
  • 180日間inactiveの場合は、アプリが一方的に失効する
  • Ratingが4.6を下回ってもアプリへのアクセスを中断される
  • Uberはドライバーが相応のデバイスを持っていない場合は、それを提供する
  • 犯罪歴や口座情報、車の情報などを提出しなければならない
  • 価格設定はUberが行っていてドライバーと乗客で交渉が出来ない
  • 乗客に直前でキャンセルされてもキャンセルフィーは必ずしももらえるわけではない
  • Uberの無形資産(iphone app)の提供がないと業務ができない

上記の理由により、ある一定のコントロールがあるとみなされ、ICであるとは言い難いので、Berwickさんにある一定期間のガス代や車のメンテナンス費用、合計$4,152を払いなさいという判決がでました。

どうゆうわけか、この判例は、Berwickさん以外には適用できないとはなっていますが、もちろんUberはこれを不服とし、上訴することを決めています。

この他にも、5州で同じようにドライバーの定義を巡って争っているためこれで認めちゃうとやばいっていうのもあるんでしょうね。でもこれで間違いなくUberは劣勢になったんじゃないかなー。

この判決みて、おれも訴えたらいける!って思う人たちも絶対に出てくるし。

あとドライバーも集団訴訟で弁護士にそそのかされてやってるっていうのもあるんでしょうけど。だってUberでドライバーしてる人って空いてる時間にお金稼ぎたいからこれはいいの出てきたわ!!と思ってやってるんでしょ。これで訴えるとか意味わかりませーん。

もしUber負けたら料金高くなるかもねー。

そしてそして、このBerwickさんの経歴がすごい。

1980年にBerwick Enterpriseっていうテレフォンセックスの会社を設立して今はトレーディングをやってるらしい。Uberのドライバーを始めたのは2014年の夏でパソコンの前で仕事してるのに飽き飽きしてきたのでやってみたところ、3ヶ月間週に60~80時間働いてグロスで$11,000ぐらい稼いでたそうです。しかし、メンテナンス費用や、税金を引くと最低賃金以下じゃないかー!ってことに気づいたらしく、そうだ訴えよっ!ってなったらしいっす。

Berwickさんがすごいのはこれだけではないのです。

実は彼女"litigious"と英語でいうらしいのですが、すぐ訴訟するらしいです。

1991年以降、彼女と彼女の会社は20以上の訴訟をカリフォルニアで起こしたそうです。

どれくらいすぐ訴訟するかって?

 

以前、ピザ屋の店員が玄関先にメニューを置いていったことに腹を立てて$500払えと訴訟を起こしたそうです。

もちろん負けましたけど。。。

 

このブログが見つかったら、僕も訴えられるかもしれません。 

 <ネタ元>

http://www.nytimes.com/2015/06/18/business/uber-contests-california-labor-ruling-that-says-drivers-should-be-employees.html?_r=0